メールを送ってから、三日が経った。
バグダッドのホテルで待った。
返信はなかった。
四日目の朝。
スマートフォンが鳴った。
メールだった。
差出人の名前はなかった。
アドレスだけあった。
透のブログのアドレスだった。
開いた。
絵馬さん、
来てくれたんですね。
老人が言った通りでした。
正直、半信半疑でした。すみません。
ハルマゲドンの意味、わかりましたか。
僕にはまだ、頭でしかわからない。
あなたは体でわかっている気がします。
老人がお前ではないと言った理由が、今ならわかります。
今、日本にいます。
会えますか。
奥多摩がいいです。
あの祠の前で。
透
エマは画面を見つめた。
日本にいた。
ずっと日本にいた。
可笑しかった。
笑いたかった。
泣きたくもあった。
どちらでもある感情が、胸の中にあった。
返信を書いた。
来週、行きます。
絵馬
送った。
窓の外を見た。
バグダッドの空は青かった。
雲一つなかった。
エマは荷物をまとめ始めた。