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第3章

芸能界

オーディションは、受かった。

端役だった。テレビに出た。雑誌に出た。でも主役にはなれなかった。

現場には悪意があった。見えないところで、何かが飛んでいた。百合はほとんど気づかなかった。めでたい勘違いをして、にこにこしていた。

でも時々、ひどく傷ついていた。なぜ傷ついたか、自分でもわからなかった。気づいていないはずなのに、体が知っていた。

疲れた。

ある日、気づいた。

そもそも、私は、なんでここにいるんだろう。

大好きな車の飾ってある喫茶店でバイトをしていただけだった。芸能人になりたかったわけじゃなかった。

もう、辞めようかな。

23歳の春だった。

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