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第一章

現れた男

その男は、いつも世界から少しだけ離れた場所に立っていた。

名前は、玉城玄(たましろ・げん)。

私が彼と出会ったのは、10年ほど前のことだ。小さなパソコン教室で、「店長」を名乗っていた。

そこへ、玄さんがふらりと生徒としてやってきた。70歳近いおじいちゃんで、結局、授業料は最後まで一度も払わなかった。

普通なら、それで終わる話だ。

でも玄さんは、そういう男ではなかった。

これは、私がそばで見ていた、玄さんという男の記録だ。

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