3ヶ月後、海斗のスマホの通知音は、1日に数回しか鳴らなくなった。
その代わり、電話の着信は少し増えた。
時々母親から、電話がかかってくるようになった。
「元気にしてる?」
「うん、元気だよ」
短いやり取りだった。でも、テキストの「いいね」よりよかった。 何かが残る気がした。
ある夜、母からまた電話がかかってきた。
海斗はテレビを消して、座り直した。
急ぎの用事は何もなかった。ただ、今度はちゃんと聞きたいと思った。
通信費の明細を、また開いてみた。
金額は、前よりわずかに安いだけだった。
でも海斗は、もう、その数字をあまり気にしていなかった。
本当の通信費は、たぶん、請求書には書かれてない。
窓の外で、電車の音がした。
いつもより、静かな気がした。
完