1ヶ月後の日曜の夜、スマホが震えた。
今週のスクリーンタイムレポートです。
週19時間30分。
半分以下になっていた。
文香は、もうその数字には、あまり興味がなかった。
思い出が増えた。
母親と食べたご飯の味。まどかのやつれた笑顔。通知を切った後の、静かな部屋の空気。
文香はスマホを閉じた。
引き出しの中に、人間ドックの結果が入っていた。問題なしと書かれていた。
母親にLINEを送った。
「来月も、ご飯行こうね」
すぐに既読がついた。
「楽しみにしてる!」
窓の外を見た。
月曜の朝が、いつもよりゆっくり訪れた気がした。
時間は、増えていなかった。
使い方が、少しだけ変わっただけ。
それだけで、こんなにも違うのかと、文香は思った。
完