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第七章

一時間の重さ

月曜、まどかと会った。

「日曜、母とご飯食べてきた」

「どうだった?」

「特別なこと、何もなかった」

「それが一番いいんだよ」とまどかは言った。「特別じゃない時間を、ちゃんと使えたってことだから」

文香はコーヒーを飲んだ。

「まどか、患者さんに、いつも聞くことってあるの?」

「うん」

「なに?」

まどかは少し笑った。

「今日、一番長く一緒にいたいのは誰ですか?」

「なんて答えが多いの?」

「有名人でも、成功者でもない。だいたい、家族とか古い友達とか、身近な人」

文香は自分のスマホを見た。画面には、母親との写真が表示されていた。日曜に撮ったものだった。

「私、この1時間の重さ、ずっとわかってなかった気がする」

まどかはコーヒーを飲んだ。

「わかってない人の方が多いよ。気づいた時には、だいたい、時間が残り少なくなってるから」

「まどかは、いつ気づいたの?」

まどかは少し黙ってから言った。

「最初にこの病棟に来た日」


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