ある時から、玄さんと連絡が取れなくなった。
携帯にかけても出ない。メールにも返事が来ない。何週間か経って、ああ、死んだんだな、と思った。確認のしようもなかった。最後がいつだったのかも、はっきりとは思い出せない。
10年経った今ならわかる。この世界は、もとから泥棒のような人たちが回している。その泥棒たちが偉そうにしている世の中で、ささやかに盗み、ささやかに分け合って生きている人間の、どこが悪いのか。玄さんが生きていたのは、そういうルールの外側だった。
第五章
ある時から、玄さんと連絡が取れなくなった。
携帯にかけても出ない。メールにも返事が来ない。何週間か経って、ああ、死んだんだな、と思った。確認のしようもなかった。最後がいつだったのかも、はっきりとは思い出せない。
10年経った今ならわかる。この世界は、もとから泥棒のような人たちが回している。その泥棒たちが偉そうにしている世の中で、ささやかに盗み、ささやかに分け合って生きている人間の、どこが悪いのか。玄さんが生きていたのは、そういうルールの外側だった。