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第二章

無料の代償

その週末、海斗は大学の先輩、石田さんと飲みに行った。

石田さんは、以前IT企業でアプリのUXデザイナーをしていた。今は転職して、別の仕事をしている。

海斗はオプション料金の話をした。

石田さんは、意外そうな顔をしなかった。

「そういうの、業界的にはよくある構造なんだよね」

「オプション商法ってこと?」

「それもある。でも、もっと大きい話をすると、"無料"って言葉自体、あんまり信用しない方がいい」

「なんでですか。無料は無料なんじゃないんですか?」

石田さんはビールを一口飲んだ。

「タダより高いものはない、って言うでしょ。あれ、結構本質突いてる」

「どういうことですか」

「海斗くんが使ってるアプリ、SNSとかほとんど無料だよね」

「はい」

「無料なのに、あの会社たち何で儲けてると思う?」

海斗は少し考えた。

「広告ですよね」

「そう。広告主がお金を払ってる。誰に見せる広告かっていうデータと引き換えに」

「じゃあ、俺が支払ってるのって何なんですか?」

石田さんは、海斗の顔を見た。

「注目」


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