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第三章

スロットマシン

「注目?ですか?」

「海斗くん、1日にスマホ、何回見る?」

「わかんないです。数えたことない」

「たぶん、100回近く見てるよ、みんな」

「そんなに?」

石田さんは頷いた。

「僕、前の会社で、通知の設計をしてたことがあるんだよね」

「通知の設計?」

「いつ、どんな通知を出したら、アプリを開いてもらえるか。そればっかり考える仕事」

海斗はグラスを持つ手を止めた。

「正直に言うとね、あれ、スロットマシンと同じ仕組み使ってる」

「スロットマシン?」

「スロットマシンって、毎回当たるわけじゃないよね。たまに当たる。次はいつ当たるか、わからない」

「はい」

「その"いつ当たるかわからない"が、一番、人を依存させるんだよ。毎回当たるより、たまにしか当たらないヤツ方が、やめられなくなる」

「それが、通知とどう関係するんですか?」

「通知も同じ。開くたびに、いいねが増えてることもあれば、何もないこともある。その"たまに嬉しいことがある"感覚が、スマホを何度も見る癖を作る」

海斗はスマホをテーブルに置いた。

「意図的に、そう作られてたんですか」

「僕は、そう作ってた」と石田さんは言った。「もう、辞めたけど」


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