五十音 百 · Literary Fiction · Mystery · 2027
~救世主はあなた自身~
普通の若者・山下拓海は、ある日奥多摩の山で一人の男に出会う。 ヒーローが世界を救うと信じていた拓海が、気づき始める。 救世主は、ずっと自分の内側にいたと。
Chapters
第1章
地図に載っていない場所に、体が勝手に来た。そこで出会った男が、三時間話し続けた。
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第2章
帰った夜、いつものニュースが違って見えた。スマートフォンを置いて、窓の外を見た。
第3章
また来てしまった。観測者という言葉が、頭から離れなかった。
第4章
電車の中で、向かいのサラリーマンを見た。一週間前の自分と、同じ目をしていた。
第5章
田中に、ヒーロー映画の話をした。田中は気づいていなかった。自分が言ったことの意味に。
第6章
深夜、ノートを開いた。ソクラテス、釈迦、イエス。三人が同じことを言っていた。
第7章
実家に帰った。母の背中が、小さくなっていた。
第8章
石を投げると、波紋が広がる。波紋は消えても、水の分子は動き続ける。
第9章
大きなことは、何もしていない。ただ、意図的に選択していた。
エピローグ
春の奥多摩で、一人座っていた。波紋は、続いていた。