五十音 百 · Contemporary Fiction · Mystery · Social · 2006-2026
北半球と南半球、二つの観測所の記録が、逆向きだった。同じ月を、逆から見ていただけだった。「濁点島」前日譚。
Chapters
第一章
二〇〇六年の六月。甲賀ミサキは、二十四歳で、派遣で、その日、生まれて初めて上司に怒鳴られた。
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第二章
館山側の担当者は、戸倉という二十八歳の研究員だった。
第三章
甲賀様。失礼な質問をありがとうございます。四十年、誰も聞きませんでした。
第四章
ミサキは、その日、一つのことに気づいた。自分が、時計回りの意味を知らない。
第五章
「振り子?」「フーコーの振り子です」戸倉は言った。
第六章
三週間後。ミサキは、報告書を室井の机に置いた。
第七章
報告書は、受理された。そして、無視された。
エピローグ
二〇二六年。甲賀ミサキは、四十四歳になっていた。