五十音 百 · Literary Fiction · Spiritual · Historical · 2026
黒い大地
戸籍に「男」と書かれた女。前世の記憶と、帳簿の向こうの顔。ナイルの黒い土が教えてくれたこと。
Chapters
プロローグ
市役所の蛍光灯は、どこへ行っても同じ色をしている。
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第一章
術後三年が経っても、麻衣はときどき自分の胸を触る。
第二章
段ボールの底から出てきた画集を、麻衣はしばらく床に置いたまま見ていた。
第三章
ノックは三回、間を置いて二回。
第四章
パリ、1893年春。
第五章
夜明け前、ネフェルウは塔に登った。
第六章
行政書士の試験まで、あと四十日だった。
第七章
その夜、迷い込んできた少年は、濡れていた。
第八章
颯太が来たのは、十一月の土曜日だった。
第九章
セリーヌは、男たちの言葉を聞く女だった。
第十章
試験会場は、大学の講義室だった。
第十一章
その夜、マドレーヌは帳簿を閉じた。
エピローグ
合格通知が来たのは、一月の終わりだった。
後記
六月になって、麻衣は美術館へ行った。